帝王切開

犬は安産の象徴なんていわれていましたが、現在ではチワワ、トイプードル、マルチーズなどの小型犬や、ブルドック、パグ、フレンチブルドックなどの短頭種では自然分娩が難しく、予定帝王切開となるケースがあります。

通常のお産は流れとして

第1期ステージ 体温降下(通常37.2度以下)が見られます

  • 落ち着きがなくなり、巣作り行動を始めます。食欲低下、嘔吐、頻回な排尿が見られます
  • 体温降下から6~12時間で陣痛が始まります

 第2期ステージ 体温回帰(一度下がった体温が正常体温に戻る)がみられます

  • 胎子が骨盤腔へ近づくと背中を丸めておなかを緊張させて陣痛行動が観察されます
  • 尿膜破裂(一次破水)(透明な液体)がおこり、次に羊膜嚢が陰部から顔を出します。水風船のようなものがぶら下がっているように見えます
  • 胎子は羊膜に包まれた状態か羊膜が破れた状態(二次破水)で娩出されます

第3期ステージ 分娩から後産(胎盤)娩出までを言います

  • 後産は15分以内くらいに出て、次の胎子の第2期へと移ります
  • 後産は母犬が食しますが、下痢を起こすので与えないほうが良いです

通常この分娩間隔は1胎子につき1~1.5時間で繰り返されますが、胎数が多い場合、あとになると長くなる傾向があります。

帝王切開となるケース

1.母犬の問題

骨盤腔がせまい事によって胎仔が娩出できない場合
 
2.胎子側の問題

母親に対し、胎子が大きすぎると母親の骨盤を出ることが難しくなります。
出産予定日前にレントゲン撮影をして、胎仔の頭数や大きさ、胎位(胎仔の頭の向き)などを確認し、 自然分娩可能か確認が必要です。

   
3.難産の場合

難産の徴候として 

  • 胎子の顔や足だけが出た状態が30分以上続いている
  • 強いりきみ(陣痛)が何度もあるのに胎子が出てこない
  • 破水があったのに、2時間以上経過して陣痛が発生しない
  • 出産間隔が伸びて、5時間以上休んでしまう
  • 緑色がかった黒っぽいおりものが出ても陣痛がはっきりしない
  • 体温回帰があってから12時間以上経過しても陣痛が始まらない
  • 出産予定日から2日以上過ぎても出産しない
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    などなど。1,2の場合は予定帝王切開をお勧めしますが、自宅で出産をという場合は様子を見ながら、万が一に備えて 難産の場合は獣医師と連絡が取れるようにしておいたほうがいいですね。 

    メリット

    • 胎子にも安全な出産が出来ます。麻酔薬も進歩しており、スリーピングベイビー(帝王切開の麻酔で胎子が眠ったままになること)を防げます。
    • 母体の体力の消耗を最小限にとどめます。多頭数の出産は少しずつ母体の命を削りながら行っているのです

    デメリット

    • 再び出産させる場合、帝王切開になる可能性が高まります
    • 母性が薄くなり、子育てがうまく出来ない場合があります
    • 多少のコストがかかります