椎間板ヘルニア
こんにちは。まだまだ暑い日が続いていますね。
今日は突然立てなくなったと来院したTちゃんについてのお話です。
診察、レントゲン検査の結果、椎間板ヘルニアと判明し、手術になりました。
そもそも椎間板ヘルニアとは・・・?
背骨(脊椎)は椎骨と椎骨の間にあるクッションのような働きをする椎間板(ついかんばん)と呼ばれるものでつながっています。
椎間板ヘルニアとはこの「椎間板」が老化して変形し、外に突き出たり、椎間板内のゼリー状の「髄核」が押し出されたりする状態をいいます。
背骨の上には、神経細胞(脊髄)が詰まった脊椎管があり、椎間板ヘルニアになるとその脊椎管内の脊髄や神経を圧迫して、神経マヒを起こします。手遅れになると神経細胞が壊死してしまい、神経マヒのため立てなくなってしまう可能性もあります。
なりやすい犬種は・・・?
椎間板ヘルニアは特に胴が長く肢の短い犬種(ダックスフント、W.コーギー、ビーグルなど)がなりやすい傾向にあります。また、体重の重い大型犬のゴールデン・レトリバーなどにも多くみられます。
ダックス系の犬は若い時から椎間板ヘルニアになりやすいと言われており、原因としては、先天的に軟骨の形成異常になりやすいことや、若いころから椎間板が固いためもろくなりがちなためです。
さらに、室内でも元気よく跳んだり、駆けたり、ほえたりしがちで、脊椎に無理な力がかかるため、椎間板を傷めやすくなります。
治療法は・・・?
触ると嫌がる、なんとなく元気がないけど歩けるといった、軽度の場合は安静や抗炎症剤、ステロイドで様子を見ることもできます。
肢が全く麻痺して動かない、座り込んでいるとなると手術の可能性が高いです。脊髄造影を行い、脊髄液が通っていない、通りずらい場所を確認し、圧迫しているヘルニア物質を除きます。
予防法は・・・?
屋外ではフリスビーやアジリティなどの激しい運動や、足を踏みはずしやすい砂利道の散歩はなるべく控えましょう。
また、肥満も原因になりやすいので、日ごろから体重管理をしっかりしておきましょうね。
外科手術をしても、すぐには元通りというわけにはいかず、リハビリが必要になります。おうちでもマッサージをしていただくとより早く回復するので、病院、飼い主の連携が必要になります。
Tちゃんも手術は無事成功
今はリハビリ頑張ってます。早く元気になるといいね