犬フィラリア症

暑くなってきましたね。そろそろ、蚊が出てきたというお宅も多いのではないでしょうか。

アステールではフィラリア予防を5月末から12月末までの8か月おすすめしているのですが、そもそもフィラリアって何?という方もいらっしゃると思いますので、簡単に書いていこうと思います。

フィラリア症は犬糸状虫症ともいい、蚊が媒介することによってフィラリア(犬糸状虫)が血液の中に寄生し、数か月かけて最終的に心臓に寄生して、心臓、肺、腎臓、肝臓などの病気を引き起こす恐ろしい病気です。

原因

フィラリアは、乳白色をしたそうめんのような細長い虫で、長さがオスで12~15cm、メスで25~30cmぐらいです。
犬に寄生しているフィラリアは、オスとメスが交尾して、メスは血液中に、ミクロフィラリアという子虫を産みます。この子虫は犬の血液とともに全身をまわり、蚊が犬をさしたとき血と一緒に吸引されるのを待ちます。
蚊に吸われたミクロフィラリアは、蚊の体内で2週間ぐらい感染子虫に成長します。そして、宿主の蚊が犬をさしたときに犬の体内に侵入します。
犬の体内に入った感染子虫は、皮下組織、筋肉などの内部で、2~3ヶ月かけて2cmほどの体長に発育してから血管にはいり、血液にのって心臓や肺動脈に移動します。そこで、さらに成長をつづけ、成熟するまでに3~4ヶ月かかります。
つまり、フィラリアは感染後、約6ヶ月で1人前に成長することになります。ちなみに、犬の心臓内でのフィラリアの成虫は、およそ5~6年も生きています。

症状

寄生している成虫の数、感染期間、寄生場所、犬の体格の大小などによってもかわってきますが、一般に寄生したフィラリアの数がすくなければ、あまり症状がでることはありません。しかし、多数になると、さまざまな症状をあらわすようになります。
症状は、感染期間(はじめの6ヶ月)では、ほとんどみられませんが、それをすぎると、まず肺のうっけつのために軽い咳が出るようになり、しだいに運動を嫌がるようになります。食欲があるのに体重が減少し、毛づやがなくなり、皮膚のかゆみ、脱毛といった皮膚病が発生しやすくなります。
さらに症状がすすむと、走るなど少しはげしい運動をすると息切れをして呼吸が荒くなり、右心不全の症状がでてきます。
多くは、犬が咳をしたり、運動を嫌がることによって、飼主が異常に気づきますが、もし、気づかずにそのまま放置していると、やがてお腹にに腹水がたまり、太鼓腹のようにふくらんできます。腹水が大量にたまると、四肢にむくみが生じて、水を異常に欲しがるのも特徴です。
このような症状がでるまでには、通常数年かかりますが、ここまでくると命を落とすことにもつながりますので、早期の治療が必要です。

診断方法

血液を少し取り、フィラリアの抗原検査キットで成虫の有無を調べ、さらに顕微鏡で、動き回るミクロフィラリアの有無を検査します。

治療方法

フィラリア症とわかったときには、薬で虫体を死滅させる方法をとります。薬によって死滅してフィラリアは、やがて肺動脈の血液の中で分解されて消えてしましますが、寄生虫が多い場合には多数の死んだ虫体が肺動脈につまることがあり、たいへん危険性がともないます。そのため、治療をした後の4~6週間は犬を安静に保ってください。なるべく、散歩もひかえたほうがいいでしょう。
急性フィラリア症の場合では、薬物療法は不適当で、危険性も高いので、外科療法をおこないます。この場合には、先端がピンセットのようになっていて、自由自在に動く器具を頚動脈から心臓まで入れ、フィラリア虫体を摘出します。

予防方法
まず、蚊にさされないようにすることです。しかし、蚊を完全に防ぐことは不可能です。そのため、フィラリアの感染を予防するためには、予防薬が欠かせません。
予防薬は蚊の出始めてから1か月後から開始し、蚊がいなくなってから1か月後まで投薬します。

昔はフィラリア症でなくなる犬ちゃんが多かったと思いますが、現在では予防が進み、ほとんど感染している犬ちゃんを見なくなりました。ですが、未だにちらほら、フィラリア感染した犬ちゃんの話を聞きます。フィラリア症は予防で100%防げます。ですが、投薬をやったり、やらなかったり、蚊がもういないからと自己判断で途中でやめてしまったりすると薬を飲んでいたのに感染しちゃったといったことになりかねません。犬ちゃんの健康維持のためにも、予防は行っていきましょうね。