巨大食道症

いいお天気ですね。お出かけの方も多いのでしょうか?

巨大食道症という病気について書いてみようと思います。

巨大食道症」は口から胃までつなぐ部分の食道が拡張し、食道の運動が低下するために、食べ物を胃に送り込めなくなり、食べ物を食べた後すぐに吐くといった症状を引き起こす病気です。

【原因】

先天性の場合と後天性の場合があります。先天的の場合は原因がはっきりと解明されておらず、食道に分布する神経の欠損や異常により発症するといわれています。後天性の場合は、神経や筋の疾患、食道の閉塞性疾患(食道腫瘍や異物、先天的な血管の異常である血管輪などの食道外部からの圧迫)などに続発して起こったり、ホルモン異常により起こることが多いです。

【症状】

食道の運動が低下するため、食べた物や水を、食後比較的短時間の間に吐き出します。頻度は病状によりさまざまです。食べ物を吐いてしまい、十分に栄養が摂取できない場合は体重減少もみられます。症状が重い場合には吐いた食物が気管から鼻や肺に入る(誤嚥:ごえん)と「鼻炎」や「肺炎」を起こし、発熱や咳、呼吸困難などの症状がみられ、命にかかわることもあります。その他、食道の炎症を起こし、食欲不振やよだれなどの症状がみられることもあります。食道の拡張がごく軽い場合には、目立った症状が現れないこともあります。


【治療】ワンちゃんの症状や状態、原因となっている基礎疾患によって治療法は異なります。
一般的には、ワンちゃんを立たせた状態で流動食を食べさせ、食物を重力で胃に移動させる食事法(食後もしばらく立たせた状態にさせます)を行います。先日の雑誌でちょうどその記事があったのですが、小型の犬ちゃんでは傘立てをうまく使ってそれにフードをのせる受け皿を使った例などもあります。ごはんを食べさせてから10~15分くらいそのままの状態を維持させることも必要です。最後は嫌がるかもしれませんが、その傘立てに入るとごはん、おやつがもらえると思うと、喜んで入るようになる場合が多いようです。

その他に食道炎や肺炎を起こしている場合は、抗生物質の投与など内科的治療を行います。また、神経疾患や筋疾患などの基礎疾患がある場合はその治療も行います。原因が食道腫瘍や食道内異物の場合には外科手術もありますが、なかなか予後は難しい場合が多いです。

【予防】

早期発見、早期治療が大切ですので、動物病院でのこまめな検診をお勧めします。最初は嘔吐だと思い、胃腸炎を疑ってしまうことがおおいですが、内服薬で治らなかったり、咳込むなどの症状が出たりしてレントゲンを撮ってみると巨大食道症だったということが判明することもあります。ご自宅では、食後の状態チェックを行ないましょう。また、上記の症状が見られる場合は、早めに動物病院にご通院くださいね。