狂犬病予防接種

少し前になりますが、9月28日は「世界狂犬病デー」ということで、狂犬病のウイルス侵入、蔓延を防ぐシンポジウムが行われているそうです。

日本にはもう56年も発症がないため、私も狂犬病という病気を生で見たことはありません。おそらく、ほとんどの獣医師が病気の症状や予防接種という言葉はしっていても、実際に発症したことをみたことはないのだと思います。

そのせいか、狂犬病の予防接種率が大きく下がってきているそうです。2010年に市町村に届けを出して登録された犬ちゃんの予防接種率が70%ちょっと。未登録を含めるとおそらく予防接種率は40%くらいということだそうです。

狂犬病は日本には根絶した病気ですが、海外ではまだまだ発生し、年間、3-5万人が命を落とすという恐ろしい病気です。

主に狂犬病ウイルスをもった犬から噛まれることによって人に感染しますが、この狂犬病ウイルスは野生動物が保持している場合も多く、ヨーロッパなどでは犬の狂犬病予防を徹底しても、野生動物が感染しているとなかなか根治できないといった問題を抱えています。

日本は島国のため、比較的根治しやすかったということもありますが、近年の関心の薄さから予防接種の徹底が薄れています。

この狂犬病ワクチンは犬ちゃんのためというよりは人のために予防接種を行うものとかんがえてもいいのかもしれません。

この機会にどうせ日本にないから、うちのこはあんまり外に出ないからということで接種していない方もワクチンの意義について考え、接種しましょうね。動物病院では期間を問わずにいつでも接種できますので、ご相談ください。