猫心筋症

今日は猫ちゃんの心臓病のひとつ、心筋梗塞について書いていこうと思います。

猫ちゃんの心筋症は心臓の筋肉が厚くなったり、薄くなったり、してうまく収縮ができず、循環不全を起こす病気です。また循環が悪くなるため、血栓(血の塊)ができ、心臓から血栓が流れて、足の動脈血に詰まると突然後ろ足が立てなくなったり、激痛で叫び声をあげたりします。

症状は初期にはほとんどわかりません。もともと、寝ているのが好き、あまりあそびたがらない性格の猫ちゃんだったりすると、見過ごしてしまうかもしれませんが、徐々にぐったりと寝ていたり、呼吸が辛そうにしているといった症状があらわれます。また、先ほどの血栓症を併発すると、突然後ろ足の麻痺を起こして初めて原因が分かることも多いです。

心筋症は、症状によって「肥大型」「拡張型」「拘束型」の3つに分けられます。一番多いのは心臓の筋肉が厚くなってしまう肥大型心筋症です。心筋症の原因の多くは不明ですが、「拡張型心筋症」の場合は、原因の1つとして、タウリンの欠乏が関与して発症することがわかっています。現在は栄養基準を満たしたフードの普及によって発症数は減少する傾向にあります。なお、この拡張型心筋症は遺伝が関与する場合もあるといわれています。

心筋症自体を治療することはできません。胸水が溜まっていれば、抜いてあげたり、酸素室で休ませたりといった対症療法を行い、心臓の機能が低下しないように内服薬で維持が基本となります。

心筋症はまだまだわからない部分が多く、治療も難しいことが多いですが、検診をすることで、早期発見、治療が重要ではないかと思います。