膝蓋骨脱臼
アステールでは初診の際、少しお時間をいただきます。
ワクチンやフィラリアなどの予防でいらした場合でも、病気でいらした場合でも、一通り、全身状態をチェックします。
その際、気づいていなかったことや、新たな病気が見つかることもありますので、生活習慣や家族構成などなど、少しプライベートな質問をしてしまうこともありますが、ご了承くださいね。
さて、健康診断の際に、膝のお皿がきちんと関節の部分にはまっているか検査をするのですが、意外とはまっていない犬ちゃんが多いです。
特に小型犬で多いのですが、正常な位置から内外へはずれてしまう(脱臼する)状態を膝蓋骨脱臼といいます。症状の進行にあわせて様々な症状が見られますが、
初期は無症状の場合が多く、進行すると、だんだんと跛行する(患部の足を上げて歩くこと)ことが多くなります。
症状にあわせて、4段階に分類されるのですが、グレード1では、脱臼しても自然と正常な状態に戻ることが多く、無症状で気づかない場合が多いです。
グレード2では、時々脱臼した足を浮かせて跛行しますが、犬が足を伸ばしたり、人間が手をかせば簡単に整復でき、日常生活にそれほど大きな支障はありません。
グレード3では、脱臼していることが多く、整復してもすぐに脱臼した状態になるため、脱臼した側の足を挙げて跛行することが多くなります。
グレード4では、常に脱臼している状態となり、元に戻すこと(整復)ができず、ひざを曲げたままの状態で歩くといった歩行異常が見られるようになります。
治療には、内科療法と外科手術があります。根本的な治療であれば、外科手術ですが、年齢や膝の症状によって、一概に手術がベストというわけではありません。
ただ、比較的年齢が若く、進行が早い(足をあげて痛がる、歩きたがらない)などの場合には手術がおすすめです。
手術をして、すぐに良くなるか、というと、だいたい、1ヶ月はリハビリ期間が必要ですので、激しい運動はできません。
以前は1ヶ月は絶対安静と言われてましたが、最近は徐々にその期間も短くなっているものの、おうちでの療養が重要です。
どうしたらいいのか、迷われている場合は、獣医師と相談してくださいね。