エリザベスカラーの話。
大久保です
突然ですが動物病院ではおなじみのアイテム、エリザベスカラー。
知らない方の為にもエリザベスカラーについて少しご説明しますね
エリザベスカラーとは、ワンちゃん・ネコちゃんのお首に巻くエリマキの様な物です巻いた姿はまるで、ひだ襟ブラウスを身にまとった誇り高きエリザベス1世のよう。
名前はそこからきています
間違えて『エリザベス・テイラーください。』とおっしゃる方が結構いらっしゃいます。
ちなみに、フィラリア症の予防薬の事を『ピラニアの予防薬』だと思ってらっしゃる方も結構います。
動物病院にまつわる2大あるあるネタですね
話はずれましたが、何故こんな物をわざわざ首に巻くかというと、手術の傷や皮膚炎などを保護する為です
傷や皮膚炎はどうしても痒みや痛みが発生する為、ワンちゃん・ネコちゃんは気になってペロペロ舐めてしまいます。お口の中はバイキンの宝庫なので皮膚炎は悪化し、器用な子だと手術の傷をお口でいじって自分で抜糸をしてしまう子も居るんですよ
お首に巻くだけで絶大な効果を発揮するエリザベスカラーですが、実は欠点もチラホラ・・・
欠点①とにかく気になる突然あんなもの首に巻かれたら、ちょっとびっくりしちゃいますよね。中にはなんとか外せないものかと大暴れしてしまう子もいます
欠点②動きずらい自分の顔回りがいつもの倍以上になるわけですから、距離感がわからずみんな色んな所にバンバンぶつかって歩きます。お食事するのも慣れるまではちょっと厄介です
欠点③時に凶器になる薄いプラスチック製なので、縁が勢いよくぶつかると人や同居のペットちゃんが怪我してしまう恐れがあります。
・・・もちろん、傷をなめたりしないかお家の誰かが見て居られる時は一時的に外してあげても構わないのですが、最近は昼間一人でお留守番をしている子がほとんどです
エリザベスカラーをした状態で留守番をさせるという事がネックになり、手術をできないでいる方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか
今日はそんな方々へ向けて新提案★
エリザベスカラーにサヨナラ〝お傷を守るNEWアイテム"
をいくつかご紹介させていただきます
①ムーンカラー
お首のまわりに空気を入れた浮輪の様な物を巻く感じになります。これで首が曲がらなくなるので、傷を舐める事もできません
エリザベスカラーよりコンパクトなので、動きやすい!食べやすい!ただ、お首周りが少し重くなりますし、前肢に患部がある場合はお口が届いてしまうかもしれません
②お洋服タイプのサポーター
背中のマジックテープを外せば一枚の布になってしまうので、お家でも簡単に脱ぎ着できます
また、お腹の部分の布は抗菌防臭素材を使っているので安心ですね
手術後のお腹の傷を保護するには適しているかもしれませんが、皮膚炎の子にはあまりオススメできません。お洋服を着る事で患部が蒸れて、症状が悪化してしまう可能性があります
③苦手な味や香りで
一見ただのテープや包帯に見えますが、実はコレ、ペットちゃんの苦手な苦味やミントの香りが付いているのです
これで患部を保護したり、傷の近くにテープを張れば、ペットちゃんも嫌がって舐める事を止めるはずです止めるはずですが・・・
効果には個体差があります
気合の入ったペットちゃんならば、おそらくこの程度のものには負けないはずです
いくつかご紹介しましたが、どのアイテムにもそれぞれ利点と欠点がありますし、患部の状態、場所によっては使用できないものもあります。
ペットちゃんにとって少しでも苦痛のない物を選んであげたいのは山々ですが、一番重要なのは
『確実性』と『安全性』なのではないかと思います。
生活環境やキャラクターを考慮しつつ、その子その子に一番適したものを選んであげたいですね
私らしからぬ、大変真面目な内容でお送りいたしました