糞便検査

こんにちは、寄生虫がいたら写真を撮っている道林です。

最近下痢と嘔吐を主訴にした来院が増えています・・・流行っているのでしょうか・・・。

便の調子が悪い場合、糞便検査を行うので、今回はそれの紹介をしていきます。

 

院内で主に行うのは「直接法」「塗抹法」「浮遊法」の3つです。

「直接法」は便を生理食塩水で少し薄めて顕微鏡で見ます。

ここでは細菌の動き、原虫(寄生虫)の有無、消化状態、らせん菌の有無を確認しています。

「塗抹法」は便の細菌を染色し、細菌バランス、芽胞菌の有無、その他細胞の有無等を確認しています。

「浮遊法」は飽和食塩水を使い、便の中の虫卵を浮かせてその有無を確認しています。

虫卵が浮くまでに15分静置する必要があります。

 

上記の3つの検査でそれぞれの評価を行っているのですが、検査にかかる時間は約30分ほど。

また、検査以外に肉眼的所見も必ずチェックしており、色、臭い、形、排便回数、排便量も診断に繋がる大切な情報です。

糞便検査で大切なことはとにかく新鮮であることと、ティッシュにはなるべく包まないこと。

持参する便が新鮮であればあるほど良いのは、時間が経つと共に細菌・原虫の動きが悪くなり正確な評価が出来ないからです。

少し時間の経った便では確認できなかった原虫が、その場で採取した新鮮便ではうじゃうじゃと動いていた・・・なんてこともありました。びっくりしました。

それから、ティッシュに便を包んでしまうと水分が吸われてしまい、検査に使える十分な量が取れなかったり形状の判断が難しくなることもあります。

ビニール袋、プラケースやラップ等での持参をお勧めします。

どうしても家で便の採取が難しい場合は採便棒を使い肛門から掻き出すのですが、検体量が少ないため見れる範囲は限定されていきます。

1回の便検査で必ず異常が見つかるとも限らないので、何度か検査をすることも・・・。

特に子犬・子猫・野良猫ちゃんは寄生虫が見つかることもあり、駆虫薬でしっかり退治できたか確認するために定期的に便検査をします。

感染がある場合、種類によって人にもうつるものがあるので・・・便は素手で触らないでくださいね~!!!

 

顕微鏡で見た瓜実条虫の卵嚢です。

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看護師:

道林