どうして点滴が必要なの?
こんにちは、星野です。
院内では獣医師、看護士ともに入院のわんちゃん、ねこちゃんのお世話をしております。
入院管理をするうえで、大事な項目のひとつとして輸液管理が挙げられます。
特に手術前後の患者さんに対して行う輸液の目的として。。
①脱水に対する補液
②維持輸液、手術侵襲における血管内容量の変化に対する輸液
*維持輸液。。生体のホメオスタシスを維持するための必要な水分や電解質等を含んだ輸液
③術後のサードスペースへの移行、麻酔薬による循環血液量不足に対する輸液
*サードスペースへの移行とは。。通常血管内に存在する水分やナトリウムが血管外へ漏出し、細胞・血管以外にたまること
④不感蒸泄に対する輸液
*不感蒸泄とは。。普段感じることはできないが、気道や皮膚から蒸散する水分のこと
などが挙げられます。
患者さんの現在の状態、基礎疾患、麻酔の反応等をみながら①~④を考慮して、獣医師が患者さんに流す輸液の量を決定していきます。
術中の輸液が多すぎても、少なすぎても手術前後の合併症のリスクを高めてしまいます。
特に高齢な子、呼吸・循環不全をかかえている子は容易に心不全になったり肺に水が貯まってしまったりしてしまいます。
逆に少ないと、腎不全等のリスクを高めてしまいます。
手術が終わってしまったら、もう大丈夫!ではないのです。
術後の管理も手術のうち!
輸液の種類も沢山あります。
下の写真は院内にある輸液剤の一部です。
↓入院室にある点滴を流す器械
時にこれらの器械がフル活動していることも。。
点滴する時は管を前肢の血管に入れます。
感染症を防ぐためにも、点滴の管を入れる時は毛を刈ります!
避妊、去勢手術を行う子たちよ、前肢ちょっと禿げちゃうけど許してね!(´;ω;`)
以上、ちょっとした小話でした。