椎間板ヘルニア①
こんにちは、獣医師の佐藤です。
今回は犬の椎間板ヘルニアについてお話ししたいと思います。
椎間板ヘルニアとは、脊椎と脊椎の間にあるクッションにあたる椎間板物質が飛び出てしまうことにより、
脊髄や神経根を圧迫し、痛みや麻痺を起こす病態です。
多くは、3歳以上で発症し、ピークは5歳と言われています。
また、首のヘルニアよりも腰のヘルニアの方が多く、
ダックスやコーギーは腰、ビーグルやヨーキー、ポメ、チワワでは首での発生が多いと言われています。
抱っこしたときにキャンと鳴いたり、首から上を動かさない、背中を丸めている、といった基本的に痛みをともなう病態なので、ヘルニアを疑うのはそんなに難しいことではありません。
大切なのは、病変部位の特定と重症度の評価です。
姿勢の反応や脊髄の反射をチェックし、どの部位の神経に異常があるのか、どの程度の障害を受けているのかを確認します。
レントゲン検査は大切で、侵襲の少ない検査になりますが、それだけで診断がつくことは少なく、
確定診断にはMRIや造影CTといった麻酔下での画像検査が必要になります。
今回は椎間板ヘルニアの病態から診断までお話ししました。
次回に重症度の分類と治療についてお話ししたいと思います。