レプトスピラ症
こんにちは、獣医師の佐藤です。
今回はレプトスピラ症についてお話ししたいと思います。
混合ワクチンの種類、5種か7種(メーカーによっては8種)で悩んでる方に参考になればと思います。
この病気はレプトスピラという細菌が感染することによって起こります。
レプトスピラは野外ではげっ歯類が保菌動物と考えられていて、この菌は主に沼などの水たまりに生活するため、そのような環境に接する機会のある動物は感染する可能性があります。
傷口や粘膜に菌が付着したり、口から体内に入るなど、様々な感染経路をもちます。
また、この菌は人を含む様々な哺乳類に感染し、人獣共通感染症の一つとなっています。
感染した動物の症状ですが、多いのは発熱、筋肉痛、嘔吐、黄疸などで、病気が進行すると肝不全や腎不全を引き起こします。
診断には血液検査や画像検査、レプトスピラに対する抗体反応や、PCR検査などを行います。
治療はレプトスピラに対しての抗菌薬の投与がメインになりますが、腎臓の障害が重度の場合は透析などの特別な処置が必要になることもあります。
レプトスピラ症は命に関わる感染症です。
なんとか回復しても腎機能障害や肝不全が後遺症として残ってしまうこともありますが、予防できる感染症になります。
レプトスピラに感染する可能性のある場所には、あまり連れて行かないようにすること、
生活環境で感染する可能性があると感じたら前もって混合ワクチンの接種を受けるなどの予防を心がけましょう。