血管肉腫の概要

血管肉腫とは、血液を介して皮膚や、心臓や脾臓などの内臓に転移するがんです。また、血管の内皮細胞より発生する悪性腫瘍で、犬の悪性血管内皮腫とも呼ばれ、肉腫として発生するだけでなく、血管腫の悪性化としても発生します。

犬の血管肉腫の好発部位は内臓(脾臓・心臓等)と皮下組織と言われていますが、血管が存在する全身の組織(骨・中枢神経・鼻腔・口腔・膀胱等)にも発生します。犬の血管肉腫の発生平均年齢は9~10歳でシェパードによくみられ、オス犬のほうが発生率は高いようですが、短毛で皮膚組織のない犬種の腹側腹部や陰嚢の皮膚に高頻度に発生するようです。全体的に、ダルメシアン・ビーグルなどは本肉腫の皮膚発生リスクが高いと言われています。

症状

症状としては、皮膚の場合は、硬く血豆のように赤味を帯びたしこりができるのが特徴です。犬の血管肉腫の転移は、急速で血行を介して肺・肝臓・心臓・大網膜・筋肉・脳などへ起こります。発症部位により異なりますが、咳・呼吸困難や食欲不振等様々な症状があります。

また、内臓に発症する場合は、体重が減少し、腹部が大きくなることもあります。筋肉に血管肉腫ができた場合は、足がむくんだり、筋肉が硬くなったりします。

症状が重くなる前に気づき、早めの治療ができるように、定期的な健康診断をおすすめします。